ラオス政府、国内燃料備蓄6000万リットルの確保方針を表明、タイ依存脱却へベトナム・中国等調達先を多角化

ニュース要約
サルムサイ新首相は国民議会において、国家のエネルギー安全保障強化に向け最低6000万リットルの国内燃料備蓄を維持する方針を表明しました。輸入の約97%を占めるタイへの一極依存を緩和するため、ベトナムや中国、シンガポールへの調達先多角化や対ベトナム石油パイプライン敷設を推進します。
重要なポイント
- 最低6000万リットルの戦略的国内燃料備蓄を維持しサプライチェーン危機に備える方針を表明
- タイからの輸入依存度97%からの脱却を目指しベトナム・中国・シンガポールへ調達先を拡大
- ベトナム首相訪問に合わせ両国間石油パイプライン建設計画や国境備蓄拠点の整備合意へ
エネルギー自給と危機管理の抜本強化へ、国家戦略備蓄を確立
ラオス首都ビエンチャンで開催されている第10期国民議会第2回通常会期において、サルムサイ・コーマシット新首相は、国家のエネルギー安全保障を抜本的に強化するため、国内の精製石油燃料備蓄として最低6000万リットルの基準枠を恒久的に維持する方針を表明しました。世界的な地政学リスクや為替変動に伴う供給途絶リスクから国民経済と市民生活を守るための重要施策となります。
現在、ラオス国内で消費される精製燃料の約97%が隣国タイからの陸上輸送輸入に依存しており、周辺国の供給余力や為替レートの乱高下に国内経済が直撃されやすい構造的脆弱性を抱えていました。新内閣は、タイ一国への依存を分散させるため、ベトナム、中国、シンガポールなど複数の近隣国・国際市場からの調達枠拡大を国内燃料輸入企業に促しています。
さらに、8日から9日にかけて行われるベトナムのレ・ミン・フン首相による公式訪問・首脳会談の場において、ベトナム沿岸部の港湾からラオス国境地帯へ通じる「石油輸送パイプライン敷設プロジェクト」の具体化および国境沿いの大規模備蓄タンク基地の共同開発協定に署名する見通しです。これにより、海上輸送とパイプラインを活用した安価で安定した燃料搬入ルートの構築が大きく前進します。
首相は「燃料の安定供給と適正価格の維持は、インフレ抑制と生産活動維持のための生命線である。悪質な買い占めや不当な価格吊り上げに対する取り締まりを徹底するとともに、消費税・関税の減免措置を継続し、国民生活の安定に全力を挙げる」と強調しました。