国民議会、サイバー犯罪対策法改正案を集中審議、AI偽装詐欺や違法衛星通信の摘発権限を大幅強化へ

ニュース要約
国民議会第2回通常会期において、技術通信省および公安省が共同提出した「サイバー犯罪防止・対策法改正案」の条文審議が行われた。急速に高度化するAI生成の偽IDを用いた越境詐欺、違法衛星通信(スターリンク等)を用いたコールセンター拠点への取り締まり権限を拡大。通信事業者や不動産賃貸主に対する本人確認義務を厳格化し、サイバー安全保障の網を広げる。
重要なポイント
- 「サイバー犯罪防止・対策法改正案」を審議、越境オンライン詐欺や違法通信の撲滅を急ぐ
- AIディープフェイクや偽造身分証を悪用した金融詐欺に対し、最高刑の引き上げと資産凍結を規定
- 無許可の衛星通信端末の国内持ち込み禁止と、通信事業者・賃貸物件オーナーの管理責任を法制化
ラオス国民議会において、技術通信省のボヴィエンカム・ウォンダー大臣および公安省代表は、現行のサイバー犯罪法を大幅に厳罰化・現代化する「サイバー犯罪防止・対策法改正案」を提出し、議員による集中審議が行われた。
改正案の最重点課題は、東南アジア地域全体で深刻な社会問題となっている越境通信詐欺グループ(違法コールセンター)の完全壊滅だ。近年、犯罪組織が生成AI技術を悪用して実在の公的機関や親族を装うディープフェイク動画や合成音声、偽造デジタルIDを用いた巧妙な投資詐欺が急増していることから、これらの手口を重大犯罪として定義し、最高刑の引き上げと国内外の不正収益資産の即時凍結権限を捜査当局に付与する。
また、捜査の手を逃れるために特別経済区や地方の隠れ家で無許可の小型衛星ブロードバンド端末(スターリンク等)を密輸・利用するケースが摘発されていることを受け、認可を受けていない衛星通信機器の輸入・所持・通信提供を全面的に違法化。これらに加担した通信インフラ事業者や、身元確認を怠って拠点を貸与した不動産オーナーに対しても連帯責任と重い罰則を科す規定が盛り込まれた。
ボヴィエンカム大臣は「デジタル経済の発展には、国民と国際社会が安心して利用できるサイバー空間の安全が不可欠である。国際刑事警察機構(インターポール)や周辺国治安当局とのリアルタイム捜査協力を進め、ラオスを犯罪組織の抜け穴にさせない」と強い決意を示した。