公安省、越境サイバー詐欺拠点の一斉摘発で31カ国・1万人超を拘束、経済特区等の違法Starlink通信網を遮断

ニュース要約
ラオス公安省は、全国の経済特区(SEZ)やビエンチャン特別市で展開された越境サイバー詐欺・違法オンライン賭博の大規模取り締まりにおいて、31カ国・計10,651人の容疑者を拘束したと発表した。組織はAI顔認証偽装や偽融資アプリを悪用していたほか、通信遮断を逃れるため密輸された「Starlink(スターリンク)」衛星端末を利用しており、治安当局は違法アンテナの押収と越境電波の監視を急強化している。
重要なポイント
- 経済特区や首都のサイバー詐欺拠点を一斉捜索し外国人を含む10,651人を拘束
- 犯罪組織が治安当局の監視網を回避するために密輸したStarlink衛星通信端末を押収
- AIによるディープフェイク偽装や架空投資アプリに対抗し、近隣諸国と共同電波監視を実施
ラオス公安省は、国家治安特別行動計画に基づき実施された越境サイバー犯罪および不法オンライン賭博組織に対する集中取り締まりの成果を公表した。2026年1月から9月中旬までの捜査により、ビエンチャン特別市(タートルアン湖経済特区やSTベガス複合施設周辺)をはじめ、サワンナケート県やボーテンなどの主要経済特区において、計10,651人(31カ国の外国人を含む)の容疑者を拘束した。
当局の分析によると、国際詐欺シンジケートの手口は一段と高度化しており、生成AIを用いた音声・顔のディープフェイクによるなりすまし投資勧誘や、不正融資アプリ、マネーロンダリング用の幽霊口座ネットワークが多用されていた。特に注目されたのは、国営通信網の監視やIPアドレス遮断を回避するため、組織が密輸された米スペースX社の衛星ブロードバンド「Starlink(スターリンク)」端末を拠点の屋上に大量設置し、暗号化通信を行っていた実態である。
治安当局は電波監視車両を経済特区周辺に配備し、無認可の衛星受信アンテナを次々と強制押収して通信ルートを物理的に遮断した。さらに公安省は、中国、タイ、ベトナムなどの近隣諸国やインターポールと連携し、主犯格の身柄引き渡しを進めている。当局幹部は「ラオス領土が国際犯罪組織の隠れ蓑になることを断じて容認しない」と述べ、未登録SIMカードの流通停止や経済特区内のデジタルインフラ監査をさらに厳格化する方針を示した。